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今日の一言

今日の一言。

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小さな傷にだまされない。

2022-08-22
 口の横に傷があります、という猫ちゃん。診察台の上にちょこんと座っています。まずは熱を測って心音・心拍数のチェック。さて、傷はどうかなー、と見ると、左の下あごに小さな穴が開いています。ケンカかな?口の中からも血が出ているようなので、口の中も見てみましょう、と口を開けようとしたら大暴れ!な、なに!そんなに痛いのー?でも、今チラッと見えたけどやっぱり口の中にも傷がありそう。このままでは見せてくれないねー。飼い主さんと相談して、鎮静剤を注射して治療することになりました。
 注射して5分くらいでウトウト。口の中、しっかり穴が開いていました。温めた生理食塩水で口の中の傷を洗ったら、外側の傷からぽたぽたと出てきました。傷が貫通している・・・。3回洗浄して、中の傷はそのまま、外の傷はスキンステープラー(外科処置用のホチキス)で止めました。抗生物質の注射を打って終了です。そのころにはモゾモゾ動き始めたので、後肢で引っかかないようにエリザベスカラーを付けて帰りました。
 10日後に抜糸(ホチキスの針)に来院。すっかり治っていました。よかった、よかった。でも傷の原因は分からずじまいでした。

とっても痒い疥癬症(かいせん症)。

2022-08-20
 皮膚が赤いんです、ということで診察になったわんちゃん。両肘の脱毛、四肢末端の薄毛、下腹部の発赤脱毛です。掻きすぎて血の出ているところもあります。これは・・・、疥癬(犬穿孔(せんこう)ヒゼンダニ)ではと思い、肘の所にオリーブオイルを塗って、鋭匙(えいひ、縁が鋭くて皮膚をひっかいて組織を取る小さな丸いスプーン)で掻いて鏡検しました。1度目は何もいませんでした。次は足先を調べました。すると、いました!オリーブオイルの中で短い脚を動かしている半透明のダニ。これが、皮膚の下にトンネルを掘って生活しているのです。飼い主さんも顕微鏡をのぞいて「わー、動いている!」と感動?していました。痒かったねー、お薬付けようねー。

外耳炎だと思ったら・・・。

2022-08-19
 まだ若いにゃんで、とっても太っていました。耳の中が黒い、臭い、ということで診察したところ、ねちっとした黒い耳垢が取れました。スライドグラスに薄く塗って染色液で染めて見たら(塗抹検査)、マラセチア菌(真菌の仲間)が大量繁殖していました。これは痒いですね、と抗真菌薬の入った点耳薬を処方しました。薬を使っている間は痒みが治まるのですが、なかなかすっきり治りません。
   再度、耳垢の塗抹検査をしたら今度は細菌がたくさん。内服の抗菌薬を処方したら、少し良くなりました。でもすっきり治りません。どうも変です。耳鏡で耳の奥をのぞいて見ました。おおっー、なんと奥の方にポリープ(できもの)があるではありませんか!これのせいで耳の中の空気の流れが阻害されていつもじくじくしていたのです。
 もはやウチでは対応できません。宇都宮に耳専門の動物病院があるので、紹介したところ、診察を受け、全身麻酔でポリープを取ってもらったと報告を受けました。よかったよかった。耳は必ずのぞいて見なければ、と反省した症例です。

ヨロイのような毛玉を取ったら・・・。

2022-08-18
 長毛のコは毎日ブラシをかけないと、毛玉ができます。先日シニアの猫ちゃんがワクチン接種に来ました。おおー、体中が毛玉というか、毛がフェルト状になった鎧(よろい)でおおわれています。これでは動くのも大変そう。飼い主さんのお話では、とにかく人に触られるのがキライ、ブラッシングなんてトンデモナイ、というコだそうです。でも今は診察台の上でおとなしくしているので、スタッフ総出で毛玉取り。バリカン3台でひたすら毛玉をはがして取りました。頭と四肢、尾は先っちょに毛を残したライオンカット。
 毛玉と格闘すること30分、おおー、スリムな身体が現れてきました。折角なのでお腹の毛も短く刈りましょう、ということで仰向けにした途端ウギャーと声をあげて大暴れ!押さえていた飼い主さんを咬みました・・・。「す、すごい。」一同真っ青。飼い主さんは革の手袋をしていましたが「牙が貫通した・・・。」気を取り直して、なだめて押さえて、やっとの思いでお腹もすっきり刈れました。ワクチン接種も無事終わり、来た時とは別猫になって帰りました。

投薬って難しい・・・。

2022-08-17
 いろいろな病気の時にお薬を処方します。10日分とか2週間分とか1か月分など、1種類の時も数種類の時もあります。継続して処方することも多いのですが、なぜか薬が余っているということがよくあります。たまに足りない、ということもあります。「飲ませるのを忘れちゃった。」「2回飲ませちゃった。」という声を聞いて「みんな忙しいのね。」と思っていました。
 ウチのライラ(15才)はもう長いこと甲状腺機能低下症と胆泥症の薬を飲んでいます。さすがに間違えることはありません。しかし、今月に入って若い(6才)マグノリアに皮膚炎が見つかりました。あまりの蒸し暑さに加えて草地でゴロゴロした時に傷ができたのかな、と思い抗生物質と消炎剤を処方しました。それぞれ袋を別にしました。3日ほどして私が犬たちの夕方の食餌を用意した時、ライラの分はいつも通りサッと作り(ドライフードと薬5種類)、さてマグノリアの分、と薬袋から薬を出してビックリ!なんと中身が入れ替わっています!抗生物質がかなり足りません。消炎剤の袋には1回3錠と書いてあります。家族の誰か(追及しませんでした)が抗生物質を3錠投与したようです。こういうことがフツーに起こるということに、とっても納得したのでした。
やまびこ動物病院

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