今日の一言。
日光浴のすすめ。
犬も猫も室内飼育の場合、窓のガラス越しに日向ぼっこをしていると思います。日に何度かお散歩に連れ出してもらっているワンは問題ありませんが、お散歩へ行かないワン・ニャンはちょっと気を付けましょう。年を取って、免疫力が落ちてくると、常在菌による皮膚病になりやすくなります。毎日でなくてよいので、外へ出て日光を浴びる時間を5分間確保しましょう。太陽光の中の紫外線がいろいろな効果を発揮します。残念ながらガラスで遮られてしまうので、直射日光を浴びることが大切です。
皮膚がんになる等、紫外線が悪者のように言われていますが、紫外線を浴びないように対策をしすぎている人がビタミンD不足を起こした事例が増えているようです。
変形性脊椎症(へんけいせい・せきついしょう)。
犬も猫も若い時は、元気いっぱい走ったり、飛び上がったり、はじけるエネルギーを存分に発散しています。骨も筋肉もしっかりみしっとしていて、身体はアスリートのようです。ずーっと元気で過ごしているように見えても、年齢を重ねるにつれ、身体はいろいろ対策をとっています。その一つに、骨の強化があります。これは、後肢でぴょんぴょんしたり、高いところにジャンプ!を繰り返したりする場合、身体が「ちょっと脊椎(背骨)を補強しよう。カルシウム集合!」となるのだと思われます。しかし、カルシウムが過剰に付いて、脊椎の両端が伸び、大切な神経の集まりである脊髄を圧迫してしまうことがあります。「変形性脊椎症」です。痛みを起こすこともあれば、後肢の麻痺や前肢の麻痺を起こしたりします。
まずは安静。痛みが強い時は消炎鎮痛剤。少し落ち着いたら関節用サプリメントでそーっと維持します。
乳歯遺残(にゅうし・いざん)。
昨年9月27日にも書きましたが、人と同じように、犬・猫の歯も生え変わります。生後4か月で切歯(前歯)、生後6か月で犬歯(糸切り歯)、臼歯はその後順次、乳歯から永久歯になります。品種改良によって犬の場合は、かなり体格に違いができました。大型・中型犬ではあまり起きませんが、小型犬ではしばしば「乳歯遺残」が見られます。遺伝的な要素もあると思いますが、本来ならば、乳歯は抜けて永久歯が生えてくるのですが、乳歯が抜けずに残ってしまうのです。切歯の場合、上あごに残ることが多いです。乳歯が上へ押し上げられ、6本の乳歯と6本の永久歯が2重になってしまいます。犬歯は上下4本とも残ることもありますが、たいていは、どれか1~2本。永久歯の後ろに並んでしまいます。
歯石が付きやすくなる、咬み合わせがずれる、等々将来のことを考えると、抜歯をしたほうがいいです。全身麻酔が必要になるので、避妊・去勢手術の時に抜歯することがほとんどです。
猫の場合は、品種改良後も犬ほど体格の差がなく、遺伝的な要素もあると思いますが、乳歯の遺残は見たことがありません。