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今日の一言

今日の一言。

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マムシに咬まれた!。

2022-08-16
 お盆休みが終わり今日からお仕事、と思っていたら朝8時に急患!旅のお方が「犬がマムシに咬まれました!」とのこと。すぐに診察。口吻の左側が腫れています。1時間ほど前に咬まれたとのことで、すぐに毒を絞り出したそうです。そのおかげで中型のコだったので、口吻だけで済んでいました。人のような抗血清がないので、抗生物質と消炎剤の注射でしのぐしかありません。今日、お帰りになるとのことで、5日分の抗生物質と消炎剤を処方しました。美味しい缶詰を出したら食べてくれたので、薬を飲めます。腫れがひどくてゴックンができないときは、毎日皮下補液になります。当地ではマムシに咬まれるワンが時々います。毒が大量でなければ治療によって数日で回復します。

てんかん発作も電気の動き。

2022-08-15
 視覚、聴覚、触覚などの情報が脳で認識されるというのも、すべて電気の働きです。脳波、は脳の中の電気の振れ幅を調べています。さまざまな感覚情報の何かに反応して、電気が異常にたくさん流れると、発作を起こします。普段は電気の流れをコントロールしていますが、何か(個体によっていろいろ)、の情報が脳に入ってくると意識とは関係なく、脳から異常な命令(電気の流れ)がでて、身体が勝手に動くのです。バタッと倒れて四肢がガクガクしたり、身体の左右のどちらかが硬直して動かなくなったり、症状は個体によってさまざまです。時間は長くても一分半で治まります。その後はケロッとしています。
 半年に3回の発作がみられたら投薬開始です。薬の働きは2つあって、電気が異常に流れるのを押さえる、電気が異常に流れても発作が起こらないように振れ幅の閾値(これよりたくさん流れると発作を起こす値)を上げる、があります。時々血中濃度を調べながら、発作が出ないように薬を調整してやれば、普通の生活が送れます。
 科学的には証明されていませんが、月の満ち欠けや低気圧などの微妙に地磁気が変化するのに連動して、個体によっては発作が起こる場合があります。飼い主さんは天気図を見て発作の予測をするそうです。すごいです。

K(カリウム)とは。

2022-08-14
 身体にとって重要なイオン(電解質、水に溶けると電気を通す物質)の一つです。命は細胞一つ一つの電気の動きです。Kは、神経の伝達、筋肉の収縮、心臓の収縮等にかかわっています。多くは細胞の中にあり、血液の中には少ししかありません。血液検査で調べているのは、その少しのKの量です。
 嘔吐や下痢の場合、胃液や腸液に含まれるKが排出され、低Kになります。胃腸の動きが悪くなり、わんもにゃんもクタッとします。頭を床につけたまま、動けません・・・です。輸液でKを補ってやります。
 交通事故での衝撃で筋肉が損傷したり、腎不全で尿にKを排泄できなくなったりして高Kになると、命が危うくなります。心臓が収縮できなくなってしまいます。人は血液透析という手がありますが、わん・にゃんは輸液で薄めてやるしかありません。

CRE(クレアチニン)とは。

2022-08-13
 血液検査の中の腎臓の状態をチェックする項目の一つがクレアチニンです。元になるクレアチンリン酸は、筋肉の中にあります。筋肉が動くときに必要なエネルギー源です。筋肉が動くことでクレアチニンができるので、ある一定量が血液中に残っていても大丈夫。なぜ腎臓の状態を知る時の項目なのかというと、腎臓はクレアチニンなどの血液中の老廃物を尿の中に捨てる役割をしているので、腎臓の機能が落ちると老廃物が血液中に溜まってくる、ということです。
 腎臓は2つあり、2つ合わせて本来の機能の75%を失って初めて血液検査で異常が出ます。基準値よりちょっと高いだけ、というわけにはいきません。基準値を超えたら大変だー、です。腎臓機能は2つ合わせてあと25%しか残っていないのです。食餌を変え、投薬開始です。人のように血液透析ができないので、食欲が落ちてきたら皮下補液なども併用します。

GPTとは。

2022-08-12
 具合が悪い時に血液検査をします。いろいろな項目があります。基本的には人と同じです。GPT(ALT)は肝臓の細胞の中にある酵素の名前です。肝臓は常に細胞分裂を繰り返しています(肝臓移植のため切り取っても、時間をかけて元の大きさまで戻るほどです)。古い細胞が壊れて新しい細胞が作られているのです。そのため、ある一定量の酵素が血液中に漏れ出ていても大丈夫、ということです。それが基準値です。
 基準値を超える量の酵素が血液中に漏れ出ている、ということは、通常の量以上の肝細胞が壊れている、ということになります。肝臓に負担がかかっている(食べ物や薬など)、癌が増殖し正常な細胞を壊している、事故など打撲による外傷性の場合等と原因はさまざまです。
 わん・にゃんで多いのは、食べ過ぎによる肝臓の負担増、除草剤を撒いた後を歩いて吸い込んだり、足を舐めたりしての薬剤摂取によるもの、交通事故での打撲等です。シニアになると癌も増えてきます。
やまびこ動物病院

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