今日の一言。
猫の喉にしこりがある・・・。
2025-05-25
歯肉炎で月に一回注射に来ている高齢の猫ちゃんです。飼い主さんが「喉にしこりがあるんだけど。」と診察に。喉にしこり!歯肉炎のせいで下顎リンパ節が腫れているのか・・・、まさかのリンパ腫だったら大変だ!とドキドキしながら診察です。体重と体温を測定後いよいよ触診です。顎の下から頸に沿って両手で左右を探っていきます。おやっ、確かに皮下にしこりがあります。んー、この位置は、甲状腺です。気管の左右にキョロっとしたものがあります。正常な甲状腺は触診で大きく触れることはありません。甲状腺の腫瘍だとするとホルモンが出すぎているかもしれません。高齢猫ちゃんで歯肉炎があるので痩せているのは、そのせいかと思っていました。甲状腺ホルモンを測定したら、やはり基準値を超えていました。投薬開始となりました。お口が痛いので大丈夫ですか、と聞いたら、「頑張って飲ませる!」と言ってくれたのでホッとしました。ホルモン値が安定して少しでも太ってくれるといいのですが。

便秘は辛いよー。
2025-03-24
食べて出す、ことが順調であれば何も問題ありません。若い時に「出す」ことで困るのは、交通事故で骨盤が狭くなってしまった猫の場合です。「排便しようとして、いきむと吐いてしまうんです。」ということで摘便(ゴム手袋をして、肛門から便を掻き出すこと)します。指を入れると、骨盤が狭いのです。きっと野良の時あるいは外に出た時に事故にあって、骨盤骨折したけれど、大きくズレなかったので、そのまま治った、が、ちょっと狭くなってしまった、ということです。普段は何とか出ていても、一度にたくさん食べたり、野鳥や野ネズミを食べて便に羽根や骨が混じりいつもより硬くなると、閊(つか)えてしまうようです。出せないと食べられないのでションボリです。
日常的に便秘が問題になるのは年寄り猫です。いきむ筋肉がへたってくるので、いきんでも出きらない、肢の筋肉も落ちてくるので、いきむとヨロける、いきみすぎて吐く等、排便は大仕事となります。下剤を飲ませたり、可溶性繊維を含んだ療法食を与えたりしてコントロールします。それでも時々摘便、となります。生きていくって大変だなー、と思っていましたが、最近、人用の新しい便秘薬を知りました。粉薬を水に溶かして飲ませるのですが、便が全体に柔らかくなるので、思いっきりいきまなくても、スルッとでるのです。もうすぐ17才になる(娘たちの家にいる)オセロ(去勢オス)と同腹のレグルス(避妊メス)もいきんで吐く、を繰り返していましたが、投薬を始めたら4日目と5日目に「出ましたー!」と報告を受けました。飲んでくれさえしたら、便秘の猫たちの救世主になりそうです。

うちのライラが旅立ちました。
2025-02-16
前日の夕ご飯はしっかり食べて(ドライフードをふやかしてシリンジで与えていました)、歯磨きもして、最後にオヤツを1個あげたところで、クチャクチャしてポイッと出しました。ん?、どうした?とまた口に入れてやろうとしたら、頭を振って「いらない!」のそぶり。おやー、変だなー、と思いましたが、「いらないのね、じゃあまた9時の時ね。」と片付けました。そして、馬の世話が終わった9時半ころに「はい、今日最後のご飯だよ。」とライラの所へ行くと、なにやら「オエッ、オエッ」としています。夕方のフードを少しもどした様子。すぐに片付けましたが、しばらくするとまたオエッとしています。何回か繰り返しましたが、少し落ち着いたところで小さなシリンジで水を飲ませてやるとペロペロごっくんと飲みました。でもやっぱり気持ち悪そうなのでご飯は無しに。いよいよお迎えかも、今晩が山かも、と思いながら寝ました。翌朝、おーい、大丈夫かー、とライラの所へ行くとすやすや寝ていました。でも口元にはフードを少し戻してありました。片付けてから排尿をさせ、向きを変えて寝かせるとまたオエッとなりました。これは胃腸が動いていないのね、とご飯は止めて、水を少し飲ませるとペロペロごっくんと飲みました。またすーっと寝てしまったので、そっとしておくことに。お昼の時もそのまま寝ていたので、排尿をさせ、向きを変えて寝かせましたが、今までとはちがって、身体に張りがありませんでした。さすがにお迎えが近いと思い、家族にも伝えました。そのまま静かに寝ていましたが1時間後に家族が見に行くと息を引き取っていました。18才と4か月でした。薬を飲みながらよく頑張りました。満月の日でした。

急にお腹が大きくなった。
2025-01-31
「最近、急にお腹がふくらんできました!」ということで診察することが時々あります。犬も猫も7才をすぎ10才前後になるといろいろやっかいな病気になるコがでてきます。まず、体重を測ります。前回よりも1割近く増えている割には背中側は背骨が浮き出ていて、触診するとお腹はポヨポヨ、タプタプした感じ。腹水がたまっているみたい、ということでエコー検査をすると黒く映る腹水とヒラヒラ動く大網や小腸が見えます。ある程度腹水を抜いてから再度エコー検査をすると肝臓に腫瘤があったりします。体重はそんなに増えていないけれど確かにお腹がパンッと張っていて、触診すると硬い感じ。んー、腹水?じゃなくてできもの?エコー検査をすると大きな腫瘤が・・・。血液検査の結果を見ながら飼い主さんと相談します。年齢なども考え、このまま対症療法で過ごすか2次診療施設で精査してもらうか(結果次第で手術も)・・・。年を取ると何かと大変です。
ウチのライラは18才と4か月になります。寝たきりですが、まだ頑張っています。今さらですが歯磨きを始めました。まだ犬歯しか磨けませんが終わったらご褒美に小さいオヤツを1つあげます。ガシガシ噛んで食べています。すごっ。

今月もフィラリア予防薬を!?
2024-12-02
朝晩はそれなりに寒くなりましたが、昼間の気温の高いことには驚きです。縁側の柱に温度計を設置しているのですが、直射日光での気温が午後1時に35度になっていました!念のため今月も投薬しておいたほうがよさそうです。温暖化を実感する今日この頃です。
それにしても時の流れの早いこと!毎日があっという間に過ぎていきます。気がつけばもう12月でビックリです。老犬ライラはまだ頑張っています。この分だと新年を迎えられそうです。
