本文へ移動

今日の一言

今日の一言。

RSS(別ウィンドウで開きます) 

以外に多い?三臓器炎。

2022-08-06
 今年の梅雨は、あっという間に終わり、暑い、ジメジメした日が続きました。そしてこの頃は、帰り梅雨のような前線が発達し各地に大雨を降らせています。人もそうですが、わん・にゃんも体調を崩しがちです。特に、太り気味だったり、おやつをもらっていたりと、常に消化機能に負担をかけている場合は要注意です。急にオエッと吐いて、食欲がパタッとなくなります。口元に好きな食べ物を持って行っても見向きもしない。水を飲んでも吐いてしまう。一大事!となります。
 血液検査をすると白血球数が上がりどこかに炎症が起こっていることがわかります。肝機能を示す酵素の値も高くなっています。レントゲンを撮ると、肝臓、胃・十二指腸のあたりがモヤッと映ります。これは、肝炎、膵炎、胃腸炎、つまり三臓器炎ではないか、となります。肝臓の後ろに胃があり、胃の縁に沿って膵臓があるので、どこかが悪くなると全部に影響がでるわけです。
 ちょっとの間絶食し、点滴で水分補給と強肝剤・抗生物質などを投与。炎症を抑える注射や吐き気を止める注射をします。早めの手当が大切です。こじらせると、特に膵臓の障害が重度になると、最悪、腹膜炎を起こして大変なことに。適正体重の維持、胃腸に負担をかけるおやつをやめるなど気をかけてやりましょう。

ノミやマダニの駆除薬について。

2022-06-08
 梅雨に入り、寒い日が続いています。気温が低いと、ノミやマダニも活動せずにじっとしているので、草の中を歩いてもそれほど心配しなくて大丈夫です。気を付けるのは、雨があがって急に暑くなった時です。今だっ、と張り切ってお散歩に行くワンや縄張りを見に行くニャン。しかーし、張り切っているのは動物たちだけではありません。草の陰でじーっと寒さをこらえ、雨をしのいでいた虫たち、ノミやマダニや蚊やアブの面々。気温が高くなって、素早く動けるので、防御対策をせずに草むらに入ると・・・やられます。ノミやマダニは動物の身体に飛びついて、被毛をかき分けて柔らかい皮膚に食いつきます。結果、なんだか痒いよー、となります。
 駆除薬には2種類あります。1つ目は、皮膚に垂らしてつけるタイプ。これは薬剤が、皮膚の表面を覆う「皮脂」の膜に浸み込んでいって、24時間で全身の皮脂膜に行きわたり、動物に飛びついて薬剤に触れたら虫が死ぬ、というものです。吸血する前に虫は死にます。弱点は、身体の末端、耳の先や指趾の先の皮脂は薄いので、薬剤が行きわたりにくいこと。2つ目は、食べるタイプ。これは、食べると血管の中に薬剤が吸収されて、吸血した虫が死ぬ、というもの。血を吸われないと、虫が死なない。皮膚に食いついたまま虫が死ぬので、死骸を取らねばなりませんが、大方は、動物自身のグルーミングで取れます。(たまに飼い主さんが死んだマダニを発見することもあります。)虫から病原体が入る前に虫が死ぬので、病原体の感染は防げます。
 確実に殺虫したければ食べるタイプ、血を吸われたくない、食べると基剤などにアレルギー反応が出る、という時は皮膚に垂らすタイプ、です。

狂犬病ワクチン接種とアフリカ豚熱について。

2022-05-31
 今年も12月31日までに接種すれば、6月30日までに接種したとみなす、ということになりました。厚生労働省からのお達しです。感染・発症したらほぼ100%死亡する病気なので、島国日本、まさに水際対策です。犬に接種していますが、実は人が犬に咬まれて感染しないためのワクチン接種です。万が一、狂犬病ウイルスが日本に入ってきても、飼われている犬の70%がワクチン接種をしていれば、爆発的に感染拡大することは無いだろう、ということになっています。狂犬病予防法で犬の飼い主さんは自分の犬にワクチン接種をすることが「義務」になっています。ワクチンで防げるものは、防ぎましょう。
 ワクチンが無い、感染したら確実に死ぬ、という豚と猪の病気があります。「アフリカ豚熱」です。日本にはまだウイルスが入ってきていません。今年になって、ヨーロッパのイタリアで感染・発症が確認されました。(現在、豚肉製品が輸入禁止になっています。)感染を確認したらその農場の豚は全頭殺処分です。人には感染しませんが、感染したら食肉として出荷できない状態になるし、屠場がウイルスに汚染されるので、ウイルスを他に撒かないよう殺処分となります。これも水際対策で大変です。

老猫の食欲不振の原因その3。

2022-05-15
 何だか最近、食べるのが遅くなったなあ、半分消化したフードを吐く回数が増えたような気がする、年のせいかなあ、という時は・・・。血液検査では特に問題なし。レントゲンを撮ると、「ん?胃の傾きがちょっとおかしいぞ。」超音波検査で丹念に胃と十二指腸のあたりを見ます。「ううっ、幽門部(胃の出口)の粘膜が厚い。」や「あー、十二指腸の近くまで粘膜が厚い。」ということがあります。食べ物が胃から小腸へ流れ出にくい状態です。色々な病気がありますが、老齢の場合は、「癌」が多いと思います。
 本来なら、大きな病院でCTを撮って、試験開腹、・・・、となりますが、御年15才以上となると、長距離の移動だけでも大きなストレスです。飼い主さんも「この年なので、そこまでは・・・。」となります。最後まで苦しくないように過ごさせてあげたい、ということに。霊芝のサプリメントで維持したり、確定診断をしていないので迷いながら動物用抗がん剤を飲ませたり。効果が出ると食欲もりもり、嘔吐も減って、体重も増えます。あと数か月かもしれないけれど、このままのんびり過ごそうね、です。

老猫の食欲不振の原因その2。

2022-04-18
 食べたいけれど、全部は食べられない、もう止めておこう、というそぶりの時は、口の中に問題があることが多いです。あーん、と口を開けて観察すると、切歯や犬歯は何ともないのですが、上の臼歯(左右どちらか)に問題が。臼歯の外側に歯石がついて、そこに接している頬の内側の粘膜が炎症を起こしている場合が多いです。だらだらと血の混じったよだれが出てくることもなく、食べている途中で「ンギャッ!」とないて、走って逃げるわけでもなく、ただ、何となく食べるのに時間がかかっている。飼い主さんは「痩せてきたなあ、年のせいかなあ。」と考えます。そんな時は、一度「お口のチェック」をしましょう!血液検査で問題がなければ、麻酔をかけて抜歯できます。
やまびこ動物病院

〒329-2806
栃木県那須塩原市横林153-77
TEL.0287-35-4356
FAX.0287-34-1027
TOPへ戻る